山村の日々③

2022年3月16日 日常
4月に入るあたりから、村の人々はゼンマイ採りに出掛ける。

実はゼンマイ採りは難易度が高い。

良質なものが生えているのは、その多くが山の急斜面。林道脇など、車や人の目につきやすい場所にもあるにはあるが、そういう場所のゼンマイは糸のように細く、その姿から僕らは「糸ゼンマイ」と呼んでいる。「糸ゼンマイを採るのは恥ずかしいこと」という共通認識があり、採らないのが基本である。

ゼンマイも昨日取り上げたコゴミと同じく株で生える。違うのは、株の中に「男ゼンマイ」と「女ゼンマイ」の2種類あるということだ。採取するのは女ゼンマイのみ。

外見で容易に区別がつくので間違うことはほぼない…のだが、採取に夢中になって採ってきてしまうことがある。祖母は確か、頭…胞子の部分を取り除いて鍋に入れてたっけ(笑) これで見た目には分からなくなるが、食べたときに固いのがあって…「あぁこれ、男ゼンマイだな」と分かる(笑)

さて、ゼンマイは灰汁抜きが必要な山菜の1つである。

調べて初めて知ったが、灰汁抜きの方法は2種類あるようだ。祖母がしていたのは短時間で済むほうだった。

灰汁抜きの前にもひと手間かかる。

採取してきたゼンマイの多くは綿に覆われているので、それを取り除く。それから汚れを洗い落とすのだ。僕はこの作業が好きで、昔、よく手伝った。

鍋に水を入れて沸騰させて、ゼンマイを茹でる。

取り上げてザルに移し、流水にさらす。

この間にゴザかムシロを用意しておき、干すための準備をしておく。

これで完全に水分が無くなるまで乾燥させるのだ。
カラカラに干からびるまで何日かかったかな?

そんなわけで、他とは違ってゼンマイは長期保存ができる。食卓に並ぶのはお正月くらい。

蕨も入念な灰汁抜きが必要な山菜だ。


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